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2013年5月16日 (木)

中華タブレットを買った

3月中旬にAndroidタブレットを買った。そんなに費用をかけられないが機能・性能であまり妥協したくなかったので、いわゆる中華タブレットを選んだ。原道(Yuandao or Window) N70 Dual Core HD(以下N70HDと略)である。

2ヶ月間使ってみて気付いたことなど、記事にしてみる。

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準備作業

インターネットで調べながらルート化、足りないUSBデバイスドライバーの追加などを行っていたのだが、私が目指していた変更点全てが既に入っているCFW (Custom Firmware) n70dualcore_hd_feriross_mod(0123)_data2G.zipを見つけてしまった。早速インストールして今まで使っているが、快調に安定動作している(Thanks, feriross!)。

唯一困ったのが画面解像度で、フルマーケット対応のため液晶の解像度設定を160ppiにする必要がある。これはCFWの問題ではない。設定で大きさを変えられる文字は良いのだが、アプリが固定のフォントサイズを設定している文字や地図などグラフィックに含まれる文字だと、小さ過ぎて読めない場合が出てくる。また画面左下隅のボタンをタップしたつもりが「戻る」ボタンと認識されたりする。

仕方が無いので、普段は液晶の解像度を200ppiに戻すよう、build.propを編集して使っている。こうするとフルマーケット化は無効になる。Playストアからアプリをインストールする時に必要なら、解像度設定を160ppiに直しGoogle Playストアのデータを消去して再起動すればフルマーケット化が復活する。

なおbuild.propを編集する際に一般ユーザーでも書き込みできるようアクセス設定を変えたままタブレットを再起動すると、180度ひっくり返ったbootanimationが表示されて先に進まなくなる場合があった。これはファームウエアをインストールしなおせば直る。build.propの編集を試みる方はご注意されたし。

 

「連絡帳」が無い!

タブレットからメールを送信しないので、アドレス帳の類が使えない事を最近になって気付いた。アプリドロワーにアイコンが無いのだ。

Fig1

電話帳ConTacTs電話帳Rをインストール(Fig. 1ではインストール済)すればGmailの連絡先を表示できるので、同期は取れている。また不思議なことにNova Launcherのアイコンから連絡帳を起動できるし、

Fig2

設定で見ると「アドレス帳」と「連絡先」アプリがちゃんと存在している。

Fig3

Fig4

うっかりアイコンを消してしまったのかと思いCFWを再インストールしてみたが、変化は無い。そりゃあそうだ、システムアプリだからそう簡単には消せない。

英語では連絡先を「Contacts」、連絡帳を「People」と言うらしいので、これをキーワードにして検索したら少しずつ判ってきた。

The problem you all are experiencing is very normal for tablets especially this one since it doesn't have a dialer built in. The People or Contacts part of android is very very dependant on the dialer app. <引用元>

なになに、「アドレス帳の類はDialerアプリに深く依存しているから、それが組み込まれていないタブレットはそうなるのが当たり前」、みたいなことが書いてある。Systemui.apkやframeworkも関わっている可能性があるらしいので、これは一筋縄ではいかない。

どうやら電話帳アプリをインストールして使うのが正解らしい。

 

「いいね!」と思ったこと

写真の表示。特に画素数の多いちゃんとしたカメラで撮った写真を表示させると、タッチパネルによる直感的な操作が実に快適である。ピンチで拡大・縮小できるのが良い。

誰かにオフラインで写真を見せるのに、タブレットほど適した道具は他に無いかもしれない。紙焼きは拡大・縮小できない。ノートPCでは見せる相手と画面との間にあるキーボードが邪魔だし、直感的な操作も難しい。ただし7インチよりも10インチの方が適している。またこれは別に写真に限ったことではないから、商談や小規模な打ち合わせにも活用できるんだろうなぁ、と思う。

やっていることがマウスとほとんど変わらないのに新鮮と感じたのがGoogle Mapのストリートビュー。途中画像の見せ方が違うせいだと思うが、ダブルタップで視点を移動させると「ビューッ」と言う感じで動くのが面白い。

 

有線接続はできるだけ避けたい

とにかく邪魔だし、接続部分の強度が心配だ。

特にACアダプターのプラグ。EIAJ-01コネクターを使っているが、スリーブの外径が2.35mmしかないので、何かの拍子に簡単に折れてしまう事があるらしい。それ以外のコネクター類はそこまで華奢ではないが、プラグよりもジャックと基板の接続部分の強度が気になるところである。

 

ケースは微妙

外出時、私はタブレットをバックパックに入れて持ち歩くこと多い。この場合タブレットが他の荷物に圧迫されるので、液晶面を保護する必要がある。また手に持って使うことが多い7インチタブレットなので、手を滑らせた時の対策も必要である。

探したら、手ごろな値段のN70HD専用ケースが見つかったので、早速購入した。

この値段なら期待はずれでも諦めがつく、と思いつつ注文したのだが、到着したケースは以外にしっかりとした造りで、必要と考えた程度の保護は確保できそうである。しかし使ってみて分った問題点もある。

先ず重くなること。本体は実測318gだが、ケースの重さが118gあり合計436gになる。裸のタブレットを基準にすると40%近い重量増で、体感的にもはっきり重くなったと分る。もう一つは、カバーに入れたままだと片手では持ち辛くなること。後ろに折り返したフラップがかさばること、そして前述の重量増加が原因だ。

当初はできるだけケースに入れたまま使うつもりだったが、特に保護が必要な場合だけケースに入れるよう方針変換。明らかに不便になるコストを支払ってまで、さほど高くないリスクに保険を掛ける必要は無いだろう。

手を滑らしてしまう事の対策はカバーよりもハンドストラップの方が好ましいのだが、簡単には取り付けられそうも無いので諦めている。

 

中華タブレットは「お買い得」だろうか

冒頭に「機能・性能であまり妥協したくなかった」と書いたが、この時念頭に置いたのがGoogle/ASUS Nexus 7 (16G・Wifi:以下Nexusと略)である。

譲れなかったのが以下のスペックだ。

  • RAM: 1Gバイト
  • フラッシュメモリー: 16Gバイト
  • ディスプレイ: 1280x800 IPS液晶

性能はSoCで決まる。

  • N70HD: RK3066 ARM Cortex-A9 Dual Core 1.6 GHz + Mali-400 MP (Quad core, 250 MHz)
  • Nexus: Tegra 3 ARM Cortex-A9 Quad Core 1.2 GHz + 416 MHz ULP GeForce

GPUの違いは良く分らない。CPU性能はN70HDがNexusの7割程度と思われるが、値段の差を考えれば我慢できる範囲ではなか、と予想して購入を決めた。実際に安兎兎ベンチマークで比較すると、

Fig5

N70HDはフルマーケット化のためNexusを偽装しているので、左側にNexsus 7と表示されている。一番上の総合、二番目のメモリー性能はN70HDが負けているが、惜敗と言える差だ。続く2つはCPU性能の内三番目は整数、四番目は浮動少数演算で、どちらもN70HDの負けだが、差は想定内と言って良いだろう。

さらに続く2つはグラフィック性能で、五番目は2D、六番目は3D性能である。ここではN70HDが結構な差をつけて勝っているが、ベンチマーク実行中の状況からGPUの差が出たものだと思われる。

Fig6

フレームレートが13.4 FPSしか出ていないのでグラフィックシステムにかなり負荷がかかっているはずだが、CPU負荷は50%程度(赤矢印の下のバーグラフ)にしかなっていない。つまりGPUがボトルネックになっているから、CPUは半分遊んでいるのではないか、と言う事。

従って得て不得手はあるものの、N70HDとNexusの総合性能は同じくらい、と言えそうである。ここまでのところ中華タブレットが「お買い得」に見えるが、機能的にはどうだろうか。

N70HDには無いがNexusに具わっている主な機能は以下の通りだ。

  • Bluetooth
  • NFC(Android ビーム)
  • GPS
  • ジャイロスコープ
  • 電子コンパス

「有線接続はできるだけ避けたい」と書いたとおり、Bluetoothは今考えると欲しかった機能である。実際に買うつもりは無い商品だが、以下3つを並べてみるとBluetoothの無いタブレットを買ってしまったのは失敗だったかもしれない、と思う。

これら3商品は、機能は全く同じで接続方式が異なる。Bluetoothなら、USB接続とほとんど同じ値段(送料込:Bluetoothは送料無料・USBは\300程度)で無線接続できるが、WiFiだと随分高くついてしまう、と言う事。ただしWiFi接続できる商品に対応したアプリはPCかiOS版に限られるようなので、販売数量の違いの影響があるかもしれない。

実はNexusには無いがN70HDに具わっている機能もある。

  • 外部SDカード
  • HDMI

どちらも私には魅力の無い機能だが、外部SDカードはオフラインで動画を観る人には必須の機能らしい。そう言うニーズに応えるためか、[Nexus + 外部SD - NFC]とでも言うべきタブレットが登場している。

さて、この節の最後に、もう一つNexusの利点を指摘しておきたい。

Androidはそれぞれのハードウエア製造元がカスタマイズして提供することになっている、と理解している。アップデートも同様だ。Googleが直接Androidのアップデートを提供する対象は、Nexusなど自社ブランドで出しているタブレットやスマートフォンだけである。従って、Nexusユーザーは最新のAndroidを一番早く手に入れられる可能性が高い。次にSamsungなどメジャーブランド。そして中華タブレットは良くて最後尾グループ、大抵はアップデートの提供無しだ。

 

今回のまとめ

N70HDはそれなりに気に入っているので、今すぐ買い換える話にはならない。しかし次にタブレットを買うチャンスにはGoogleブランドを選ぶ可能性が高いだろう。アプリ開発もしたいと思っているので、最新のAndroidに早く触れられるメリットは無視できない。しかし出来合いのアプリを使って利用するだけなら、価格差との相談になる。

価格差は3月購入時点で4~6千円程度だったが、製品のライフサイクルや為替相場変動の影響か、最近は1万円近くになっている。これだけ価格差が広がると、N70HDは「お買い得」な中華タブレットの選択肢になり得るだろう。

中華タブレットの中には欠陥を疑わせるような製品もあるように聞く。N70HDではヘッドフォン信号の左右が入れ違っているらしいが、これは外付けのアダプターを作れば簡単に修正可能だし、気にしないと言う解決策もある。この点を除き、これまで私が使った限り重大な問題は見つかっていない。feriross_mod CFWに負うところが多いと思う。

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コメント

はじめまして、双撃hdユーザーですがフェリロスさんファームをダウンロードしたのですがうまくいかず、何回も再ダウンロードしました。これってまずいですか?ちなみに文鎮してます。いきなりのしつもんで失礼しました。

投稿: 双撃 | 2013年6月18日 (火) 13時15分

双撃さん、こんにちは。
CFW入れようとしたけどうまくいかなくて、何回もやっていたら文鎮になってしまった、って事でしょうか? そうだとすると、うまくいっていないのはマズイと思います。
何回も入れ直したことでおかしくなるのは考えにくいです。ただし何百回もやれば話が違いますが。またこれは毎回ちゃんとできている前提なので、その通りなら一発で決まってそんなにやり直す必要がそもそも無い。鶏と卵ですね。
多分始めからずーっとうまくいかないので、何回もやり直しているのだろうと思います。もしそうだとすると悩ましいです。良いアドバイスが思いつきません。
RKBatchToolでタブレットを認識できているなら、条件を変えてもう少し頑張ってみてください。月並みですが、使うUSBポートを変える、CFWをインターネットでダウンロードしなおす、RKBatchToolの最新版を試す、などなど。

投稿: エンジニア | 2013年6月18日 (火) 16時29分

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