Windows 8/8.1: SATAモード変更 (IDE⇔AHCI⇔RAID) に再インストールもregeditも要らない
ディスクインターフェイス周りをいろいろテストする前に、SATAモード変更した時のWindows設定の修正方法を調べた。Windowsを再インストールしなければならないと言う話を以前聞いていたが、とてもそれはやっていられないと思ったからだ。
今回の記事に掲載した手順は私の環境で確認したものである。他の環境ではこの通りにならない場合もあると思われるので、ご承知おき願う。
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Microsoftは正式手順を発表済
インターネットで見かける情報のほとんどはIDEモードでインストールしたWindowsをAHCIで使えるようにする方法である。このパターンのニーズが高いのはうなずける。少し調べると、このパターンについてはMicrosoftが文書を発表済であることが分かった。Windows 8について再インストールもregeditも要るとは書いていない。8.1でも同じ手順でOKだった。
しかしインターネット上にはWindows 8/8.1でも再インストールやregeditの使用を勧める情報が少なくないが、たぶんMicrosoftの情報が出る前に掲載されたものが残っているのだろう。この辺りはインターネットの困った面である。
MicrosoftはWindows 7とVistaについて同種の情報を発表していて、こちらではFix itかregeditを使うことになる。
IDE→AHCI以外の組み合わせも基本的な考え方は同じだ。Windows 8/8.1ではMicrosoftが発表した情報の一部を読み替えればすべてのパターンに対応できる。この記事ではその点も含め、もう少し詳しく触れてみる。
Windows 8/8.1の手順の要点
必要なことは変更後のSATAモードで、セーフモードのWindowsを起動することである。これにより自動的に変更後のSATAモードに対応したWindowsの設定に修正されるようだ。これを実現するもう少し詳しい手順は以下の通りだ。
- SATAモードを、現在のWindowsの設定で起動できるモードに設定する。
- Windowsを起動して、再起動後セーフモードで起動するような設定を行う。
- 再起動し、再起動中にSATAモードを希望する変更後のモードに設定する。
- Windowsが再起動したら、通常起動するよう設定しなおす。
- 再起動する。
具体的で分かり易い(?)手順
Microsoftの文書で説明されている手順は部分的に妙に詳し過ぎたり、逆に雑だったりする印象がある。文章だけで説明しようとしているからかもしれない。ここではGUIを使った手順を紹介する。やっていることは本質的にMicrosoftの文書と同じである。
まずとにかくWindowsを起動する。通常今まで動いていたSATAモードにして起動すればよいはずだ。その状態で「検索」または「ファイル名を指定して実行」でmsconfigを起動する。
上のように設定してOKをクリックすると、再起動するかどうか訊いてくるので、「再起動」をクリックして再起動する。
再起動中にBIOS設定に入り、SATAモードを希望する変更後の状態に設定する。
セーフモードで再起動したら再びmsconfigを起動する。
上のように設定して「OK」→「再起動」とクリックして再起動する。これで終わり。
適用できる範囲
この手順はチップセットのSATAモードを変更する場合を想定している。しかし、一部しか試してはいないが、Windowsに標準で同梱されたIn-boxドライバーのあるディスクインターフェイスに切り替える場合も対応可能なはずである。Microsoftの互換性センターで検索して「互換性あり・アクションは必要ありません」と出ればIn-boxドライバーがある、と言う意味だったはずだ。
例外的なケースへの対応
Microsoftの文書も含め、ここまでにとり上げている手順は全て現在のWindowsの設定で起動できる状態にSATAモードを設定できることが前提である。これができない場合、例えばSATA拡張インターフェイスカードに接続したハードディスクから起動していたが、そのカードが壊れてしまい同じ製品が入手できない場合どうするのか。Windowsの再インストール以外に手段がないのか、と言うこと。
Windows 8.1でしか試していないのでもしかすると8は違うのかもしれないが、実はこのような場合でも簡単にセーフモードで起動することができる。
Windowsの設定とは異なるSATAモードでWindows 8.1を起動しようとすると再起動ループが始まり2回再起動を試みた後、自動修復の失敗の画面が表示されるので、これ以降図に記載の手順を行う。
この後セーフモードでWindowsが起動する。特に何もせずに再起動すれば「通常スタートアップ」でWindowsが再起度する。これで終わり。
チップセットのSATAモード変更の場合も、まずモード変更してしまい、その後この手順で対応する方法も可能である。
今回のまとめ
Windows 8と8.1で起動ディスクを接続するインターフェイスの変更した場合、セーフモードで起動すれば自動的にWindowsの設定を修正するようになっているようだ。
特に8.1の場合自動修復失敗後のオプションで対話的に対応できているようだが、正しい道筋のステップが多過ぎ、非常に分かり辛くなっているのが残念である。自動修復の中で起動用ディスクインターフェイスの変更対応を行ってしまうようにするのは技術的には十分可能だと思うのだが、そうすると何か都合が悪い事があるのだろうか。
Windows売り上げの大半を占めるであろうプレインストールされたコンピューターのユーザーにはほとんど無縁な機能だから、あまり力が入らないのは仕方がないのかもしれない。
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- Windows 8/8.1: SATAモード変更 (IDE⇔AHCI⇔RAID) に再インストールもregeditも要らない(2014.06.15)
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コメント
RAID設定でこんな状態になり
色々検索しましたが解決方法が見つからず
ここにたどり付き解決できました!ありがとうございます!
投稿: | 2014年10月 9日 (木) 18時15分
お役に立てて幸いです (*´v゚*)ゞ
投稿: エンジニア | 2014年10月 9日 (木) 18時50分
私が望んでいたドンピシャリの情報です。
救世主様に深く感謝!
投稿: わけわからんわい | 2014年12月21日 (日) 10時42分
わけわからんわい さん、
良かったです(*^-^) 困っている人、案外多いのかな。
投稿: エンジニア | 2014年12月21日 (日) 12時10分
こんばんは
悪戦苦闘8してここにたどり着きました(_ _;)
RAID1の解除ですが
データを残したまま解除しようと調べても
なかなかがいとうするものありませんでした
こちらの方法で解除出来ましたが
ディスクの管理で
回復パテーション、EFIパテーションが残ります
これらを削除することは可能なのでしょうか
投稿: TAKAHIRO | 2015年7月 7日 (火) 00時58分
TAKAHIRO さん、こんにちは
最初に断わっておきますが、私は実際にやったことが無いので、これから書くことは全て推定です。
回復パテーション、EFIパテーションは起動に必要なので、削除してしまうと Windows が立ち上がらなくなるはずです。
以前起動ディスクだったものをデータ専用にしたのなら削除しても大丈夫かもしれません。
しかしその場合でも今問題にしているディスクから起動情報を読み取っている場合があり得たのではないかと思います。
今問題にしているディスクがデータ専用になっていて、このディスクを取り外しても Windows が正常に起動するなら、回復パテーションとEFIパテーションは削除しても大丈夫なはずです。
あるいは起動モードを UEFI ではなく古い BIOS モードに切り替えているなら、回復パテーションとEFIパテーションは削除できるようです。
http://www.lifeboat.jp/blog2/?p=3183
もし右クリックのコンテキストメニューに「削除」が無かったりグレーアウトされているなら削除しない方が無難ですね。
どうしても削除する場合、Linux の動いているコンピューターに持って行くか DVD などから Linux を起動すれば削除できるのではないかと思います。
投稿: エンジニア | 2015年7月 7日 (火) 08時59分
こんにちは。windows10でも同様の方法でIDEからACHIへ変更できました。
というか画面までwindows8と全く同じでした。
ありがとうございました!
投稿: 検索できました | 2015年8月22日 (土) 06時20分
検索できました さん、おはようございます。
Windows 10 でも同じ手順が使えると検証してくださったのですね。
ありがとうございます。
私も Windows 10 を使っていますが、この手順はまだ試していませんでした。
色々変わった部分がある反面、8/8.1 と同じ部分も多く残っているようです。
Windows 10 はタブレット向きに振られたと言う印象を受けました。
デスクトップとしては 8.1 より多少良くなったが、悪くなった部分もあると感じています。
投稿: エンジニア | 2015年8月22日 (土) 09時12分
従来のWindows(・・・,XP,W7) では、BIOS画面が終わってWindowsに入ったとき、すかさずファンクションキーF8を複数回押すと、セーフモードに入ります。W8,W10ではこの操作は使えないのですか?
投稿: 田中 | 2016年1月24日 (日) 22時57分
田中さん、F8 のことは忘れていました。
キーワード「windows 10 f8 セーフモード」で検索すると参考情報がいくつも見つかります。
・ ディフォルトでは F8 は使えなくなった
・ 起動時にセーフモードに入るには他の方法がある
・ Windows を起動して設定を変えれば F8 も使えるようになる
と言うことのようです。
コメントを頂いたおかげで勉強になりました。ありがとうございます。
投稿: エンジニア | 2016年1月24日 (日) 23時17分
ここの方法はやりたいことの一部だったのですが、とても役に立ちました。
ありがとうございます。
ちなみにやりたかったことは、Z77で組んだRAID0のデータの吸い上げでした。
Z270で新たに組んだPCにRAID0のディスクをつないだところそのまま見えたので、Windows上でデータを吸い上げたかったもので。
ところがZ270ではRAIDを使ってなかったので、AHCIで入れてたものですからそこで詰まってしまいました。
おかげでデータを吸い出すことができました。
投稿: 銀白狐 | 2017年5月27日 (土) 20時42分
銀白狐さん、
お役に立てて良かったです (*´v゚*)ゞ
投稿: エンジニア | 2017年5月27日 (土) 23時13分
素晴らしい可決方法をどうもありがとうございます!
win10でAHCiからraidへ変更したくレジストリを色々いじりましたが駄目でした。
仰る通り、UEFIでモード変更した後にセーフモードで起動するとWinが自動的に設定してくれました。
投稿: 03 | 2018年2月20日 (火) 13時05分
03 さん、この記事が役立ったのなら幸いです。
1年近く更新をさぼっていますが、こうして訪問してくれる方がいるのはありがたいことです。
投稿: エンジニア | 2018年2月20日 (火) 14時14分
こんな正規手順があったとは!
恐る恐るレジストリいじってましたが
おかげさまで非常に楽になりました
ありがとうございます!
投稿: | 2019年6月 8日 (土) 10時34分
[名無し]さん、コメントありがとうございます。
この記事が未だに役立っていたとは、驚くやらうれしいやら複雑ですね。
直近の分から1年以上経っていただいたコメントです。記事を書いてからだと実に5年になります。
諸事情から記事の更新が滞っていますが、こうやって読んでいただいているようなのでよしとしたいと思います。
ありがとうございました。
投稿: エンジニア | 2019年6月 8日 (土) 11時03分
こんにちは、windows10でAHCIに変更したくて、ネットで検索して何回かbiosから変更してみましたが、自動修復の画面から進まず、あきらめかけていました。ところが、このサイトをみて、試したとろ再起動できました。感謝です。PCは素人でよくわからず、他のサイトは難しことが書いてありあきらめかけていたので、ものすごく感激しました。ありがとうございました。
投稿: taji | 2019年7月16日 (火) 17時20分
[名無し]さん、こんばんは。お役に立てて幸いです。
ふと思ったことがあります。
Windows 10 は大型アップデートをちゃんとしていれば半永久サポートでした。
と言う事は、この記事の内容も半永久的に有効?
まぁ大型アップデートでサポートされなくなるハードウエアも出てくるので、いずれ有効ではなくなるのだと思いますが。
投稿: エンジニア | 2019年7月17日 (水) 00時34分