憂国

2011年3月 9日 (水)

メア講義メモ漏洩は民主党政権への援護射撃

事実関係に不審な点が多々あるが、前原誠司の外相辞任に合わせたように米国務省日本部長ケビン・メア (Kevin K. Maher) の講義メモ(原文日本語訳)が暴露された。

考えようによっては、過去の日米合意を反故にして沖縄の米海兵隊を全面的にグアム移転に持ち込むのに、これほど都合のよい口実は無いだろう。その姿勢を明確に打ち出せば社民党が連立に戻るだろうし、支持率も回復するだろう。5回裏、15対0で負けているチームが、逆転は無理かもしれないが、なんとかコールド負けを回避して9回裏までゲームを続けられるようにするのには充分だと思う。

うがった見方をすれば、米国側の意図的な漏洩の可能性もある。仮に海兵隊を沖縄からグアムに移すことが現実となっても、その損失よりも日本のおよび東アジア地域の政治的安定の方が重要だと判断することは充分ありえるだろう。中近東情勢の流動化がこの判断を後押ししたことも考えられる。

本当に可能かどうか判らないが、もう失うものがほとんど残っていない民主党政権に他の選択肢があるとは思えない。これを試さないようなら、我々もドロ舟から逃げ出す算段を、可能な範囲で始めるべきだろう。

2011年3月17日追記: この件は、地震と津波で吹っ飛んでしまったようだ。しかし、こんな緊急事態の中でも足の引っ張り合いみたいなことが見え隠れするような気がする。私の考えすぎであって欲しい、と思う。

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2010年2月10日 (水)

ホンダもリコール

今ラジオから、ホンダも何十万台規模のリコールを、国内外で行うとのニュースが流れていた。エアバッグ作動圧が高すぎて、破裂・部品が飛散するおそれがあるらしい。

トヨタのアクセルペダル系のリコール同様、海外で製造されたものだけが対象とのこと。海外展開をしてこういう形の問題を起こすのは、品質だけでなく色々な管理がシステマティックになっていないからだろう。国内であれば属人的に何とかなっていたものが、海外に出て破綻した結果だと思う。単に油断した、とか、目が行き届かなかった、と言った問題ではなく、現代日本には未だシステマティックに事を運ぶことを嫌う構造的・体質的な特質、ないしは勢力が存在していると思う。

以前、新幹線の停電事故のことを書いたときにもこの点を指摘した。この課題を乗り越えないと、日本の技術立国は危うい。

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2010年2月 5日 (金)

ミスを赦さない国、ニッポン

体調を崩し気力も体力も萎えてしまいblogをお休みしている間に、民主党政権が日本にも誕生し、’00年代が終わり、年が変わって’10年代が始まり、もう1か月以上経過して暦の上では春になってしまった。啓蟄には未だ間があるが、目覚めることにしよう。

この国で、普通選挙で政権が交代したのは初めてらしい。この国の在り方を変えたいとの思いが国民の大半に及んだのか、単に前政権に嫌気がさして目先を変えてみただけなのか、(私は前者だと思いたいが)いずれにせよ国民の総意が何らかの「変化」を選んだ。総体としての日本国民のものの考え方(国民性とか民族性といった言葉があるが、個性を否定しているように感じられるので、あまり適当でないかもしれないが「社会風土」を用いる)が少し変わったことの現われだろう。しかし、「国の在り方を変える」・「嫌気がさした」、どちらであっても表面の薄皮1枚変わった程度で、根本的な部分はそうやすやすとは変わらないと思う。「国の在り方を変える」のであれば、その根本的な部分をこれから変えていかなければならない。

今回のテーマは、ぜひ変わって欲しいと私が思っていることの一つである。 きっかけは、2010年2月2日の朝日新聞東京本社版朝刊に載った「新幹線事故は整備ミス(パンタグラフ/ボルト付け忘れ)」(1面)・「単純ミス防げず(新幹線事故/主任も見逃し/点検用紙なし)」(30面)と大見出しをつけられた(カッコ内は小見出し)記事である。新聞ほか諸々のマスメディアは社会風土を映す鏡であると同時に、社会風土に影響を与えて変化を起こす、または現在の社会風土を強化する働きがある。私の意見では、今回の記事は全体としては本来あるべき姿にまとまっているようだが、実は端々に改めるべき社会風土を強化するような表現が埋め込まれている。恐らくそうではないだろうが、もし意図的だとしたらサブリミナル効果を狙ったようなもので極めて悪質だ。

予めお断りしておくが、「言葉尻を・・・」の表現を否定的な意味によく用いる人は、この先を読まないことをお勧めする。私は、神にせよ悪魔にせよ、重要なことは細部に宿ると固く信じているので。

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