広帯域デジタルオシロで遊んでいたら、何かマズイ物を見つけてしまった様だ。
少々古いがTektronix製のデジタルオシロをしばらく使える機会に恵まれたので、更新が滞っているblogのネタにしようかなどと思いつつ、最近では当たり前になっているスイッチング式ACアダプタ各種のノイズ比較を始めた。最初は想定していた「安物はノイズが多い」と言う、ありきたりなシナリオ通りの結果で、安心すると同時に少しがっかりしていたのだが、対照としてスイッチング方式ではない古典的なACアダプタを測定したら、想定外に高周波ノイズが多いのに気付いた。ピーク値で数十mV程度と言う、微妙に気になる水準だ。多分、AC電源ラインのノイズが回り込んでいるのだろう。
これは困った事であると同時に、何かを期待させる現象である。
困った方の理由は、シナリオを少し変更しなければならないかもしれない事と、場合によってはAC電源にしっかりしたノイズフィルタを入れないと有意義な測定ができなくなるおそれが考えられたからだ。後者に該当すると、ちょっと面倒である。
しかし、事態は期待を裏切らなかった。
コンセントから引き抜いても、レベルが30mV程度に下がるものの、依然としてノイズを検知している。高周波的に、かなりインピーダンスが低い場所で計っているはずなのに、少し様子がおかしい。ACアダプタなしで、プローブのチップをGNDクリップでくわえさせても、未だノイズを検出している。レベルも30mV程度からそんなに変わらない。正体に迫ろう、と時間軸を拡大してみてビックリした。
周波数約120MHzのバースト波である。VHF航空管制帯、つまりエアバンドにかかっている。どこかで通信の妨害になっていたら、かなりマズイ。「例の123便の件からちょうど4半世紀。何かの因縁?」などと思いつつ、OFF/ONして突き止めた発生源はPanasonic LED電球 LDA7L-A1だ。
LED電球本体は2m、一番近いAC電源コード類でも1m程度プローブから離れているから、完全に電波として伝播している様だ、などとシャレを書いている場合ではない。以前の記事に「LED電球から発せられるノイズは、アマチュア無線にとって大問題」といった趣旨のコメントをいただいていたが、こう言った事を指していたのだろうか。
いずれにせよ、blogネタとしてはACアダプタよりもこちらの方がおもしろそうだ。
今回はPanasonic LDA7L-A1の現象の上っ面を少し引っ掻いた程度で息が切れた。少なくとも他社のLED電球や、電球型蛍光灯・インバーター式蛍光灯器具類などとの比較は必要だと思うし、もう少し違う切り口もありそうだ。
最近のコメント